象徴としてのアメリカ大統領 - 池田信夫 blog
このように意思決定が複雑で非効率的なのは、もともとバラバラの国(州)を集めてつくった建国の経緯による。『ザ・フェデラリスト』を読むと、連邦政府への権力の集中をきらう人々を説得するために、筆者(アメリカ建国の父)が権力を分散させることに苦労しているのがわかる。ただ結果的には「弱い大統領」にしたため、大統領が議会の頭越しに国民に訴えることが多くなり、メディアの影響力とあいまって大統領の象徴的な力が強まった。いいかえると、オバマの権力は法的な権限ではなく、彼の言葉の力なのだ。この意味で、彼こそ「国民統合の象徴」といってもいい。